【クラシック】リッカルド・ムーティ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団・プログラムB
コロナがなぜかわからないけど激減しているので、久々にクラシック・コンサートへ。前回が去年のウィーンフィルだったので、ちょうど1年ぶりです。この1年間辛かったです。
指揮はリッカルド・ムーティ。たしかぽん太が高校生の頃から振ってたと思うので、長いですね〜。昔はイケメンのイタリア人という感じでしたが、年とりましたね〜。すごく細かく指図する指揮だった記憶がありますが、さすがに指示が減りました。ウィキペディアを見ると、心臓ペースメーカーを入れてるとのこと。それでもけっこう飛び跳ねてました。
一曲目のシューベルトの交響曲第4番は、ほとんど聴いたことがない曲。「悲劇的」という副題がついていますが、なんでもこの曲が書かれた1816年は、前年のインドネシアのタンボラ火山の大噴火による噴煙の影響で、ヨーロッパでは日照不足による壊滅的な気候変動が生じ、凶作、飢饉、物価上昇などの社会不安が生じたのだそうな(プログラムによる)。コロナ禍に苦しむ現在に通じるものとして、の曲を選んだのでしょうか。曲は、シューベルト的な美しいメロディや転調の妙はあるものの、暗く重苦しく、地味でした。
二曲目は、ストラヴィンスキーのディベルティメント。これは完全に初めて聴いた曲です(事前にyoutubeで予習はしておきましたが)。元々はバレエ音楽だそうで、ストラビンスキー独特の変拍子や和音進行が楽しいです。2楽章だったか、管楽器とホルンの掛け合いが美しかったな〜。ホルンは小さな音での精妙な合奏で、並のオケなら一ヶ所ぐらいは音が外れそうなところを、完璧な演奏。そしてクラリネットが素晴らしかった。あとで調べてみたら、ダニエル・オッテンザマーという超有名奏者か?
ラストはメンデルスゾーンの「イタリア」交響曲。コロナ禍の鬱憤を晴らすかのような、きらびやかで生き生きとした演奏。意表をつくピチカートで始まる序奏に続く、伸びやかな第一主題を聴くだけで、喜びが込み上げてきます。ややゆったりしたテンポでしたが、そのぶん様々なニュアンスが次々と浮かび上がってきました。メンデルスゾーンらしいサービス精神旺盛な曲ですね。ウィーンフィルで聴くこういう楽しい曲は素晴らしいです。
アンコールはヴェルディの「運命の力」序曲。ムーティーはお手ものといった指揮ぶりで、とてもドラマチックでした。オペラ公演で聴いたら、序曲だけでお腹いっぱいになりそう。
来週のAプロも楽しみです。
リッカルド・ムーティ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2021年11月3日
サントリーホール
プログラムB
シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D. 417「悲劇的」
ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント~バレエ音楽『妖精の接吻』による交響組曲~
メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 作品90「イタリア」
アンコール:ヴェルディ:「運命の力」序曲
最近のコメント